物流不動産協同組合▼賛助会員制度導入で100社入会目指す 
2020年09月03日 物流不動産協同組合は29日、東京・港区の五色橋ビル ReBarで第18回通常総会を開催した。冒頭、大谷巌一代表理事は「コロナウイルスの感染拡大が供給網の混乱と消費の急減をもたらした。需要が逼迫する医療用品の輸出規制がエスカレートするなど、グローバルサプライチェーンで難局を迎えた。しかし、コロナ禍ではネットスーパー専用の物流施設のニーズが上がり、ニューノーマルを物流不動産ビジネスの普及、業界化への好機としていきたい」と述べた。
新年度の事業計画として、組合員に加え、賛助会員制度発足が議決された。幅広い業種から組合への加入を募り、当面100社の加入を目標とし、新たな業界づくりとして、組合参加社数の底上げを狙う。
総会の席上、活発な意見交換が行われ、鈴木清前事務局長(イーカーゴ社長)からは、「当組合には物流会社も複数加盟されていることから、組合として倉庫を借りて、共同で物流関連のビジネスができるのではないか」との提案があった。この構想は鈴木氏が1年前から温めてきたもので、コロナ禍による物流業界がニューノーマルへと変貌を遂げるなか、待ったなしの状態に陥ったという。
本案件は鈴木氏が以前より親交のあった物流団体からの協力要請に端を発する。物流共同化を推進するその団体では、ECを中心としたBtoCの荷物集荷とサテライト倉庫不足が大きな課題となっていた。一方、鈴木氏の足元では、コロナショックで荷主メーカーの状況が月を追うごとに悪化しており、従来事業はシュリンクしていく一方と鈴木氏は判断、生き残り策として新事業を企てた。「中小物流会社単独では対応できない。EC事業への参入を図り、本組合員の強みを最大限活かした新たなサプライチェーンを構築していきたい」と述べた。
これを受けた大谷代表理事は「物流不動産ビジネスが拡大するなかで、組合だからできることがある。鈴木氏のご提案は組合との親和性が高い」と述べ、新たな事業強化による組合の発展を展望した。