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ヤマト運輸▼統合型ビジネスソリューション拠点「DPL東京東雲」本格稼働 

2026年10月30日

ヤマト運輸は28日、東京・江東区東雲に開設した統合型ビジネスソリューション拠点「DPL東京東雲」のプレス向け見学会を開催した。延床面積約11万9,606m2と「羽田クロノゲート」に次ぐ大型拠点として、今年4月に開設後、11月16日より仕分け機能を含む本格稼働を開始した。

■ 保管から発送までを一体化。大幅なリードタイム短縮を実現
1フロア約2万㎡の広大な空間を活かし、1〜2階に仕分け・輸配送ターミナル、3階に宅急便集配機能、4〜6階に高付加価値ロジスティクス(保管・ピッキング・流通加工等)エリアを配置。建物内で保管から発送までを一体化させた。

DPL東京東雲は江東区・墨田区・千代田区・江戸川区・台東区と、東部5区の集配・発送をカバーする。ターミナルエリアには、1基あたり毎時7,200個の処理が可能なクロスベルトソータなどの最新仕分け機を導入。ドライの処理能力は毎時32,800個、クールは毎時10,400個(計43,200個)に達し、従来型施設と比較して生産性を約4割向上させた。


▲2階のクール仕分け専用エリア

上層階のロジスティクスエリアでピッキングや加工が施された荷物は、垂直搬送機から下層階の発送拠点へ自動搬送される。これにより拠点間の横持ち輸送が不要となり、受注締め時間を従来より1〜2時間後ろ倒ししながら、翌日午前中配送の維持を実現。販売機会の最大化とリードタイムの短縮に直結した。

▲コンベヤで搬送される段ボールをかご台車に積載する

ヤマト運輸 弘内泰樹東雲プロジェクト長は、「中期経営計画『SX2030』において、コントラクト・ロジスティクスは成長領域と位置付けている。全国の物流拠点における仕分け・輸配送機能とロジスティクス機能を統合したこの施設を通じ、付加価値の高い物流ソリューションを提供する」と強調する。

ヤマトグループは2007年の横浜を皮切りに、厚木、羽田、愛知、大阪、滋賀、郡山と統合型拠点を拡充しており、2027年2月には岡山でも稼働を計画。DPL東京東雲は、首都高速晴海線・豊洲ICから約1.5km、大井コンテナ埠頭や羽田空港まで車で約20分とアクセスに優れる。この好立地を活かし、当日配送や出荷締め切り時間の延長といった都心型のソリューションを提供する。

■ 独自の強みとなる多様な高付加価値ソリューション
ヤマト運輸が提案する高付加価値ソリューションの象徴的な事例が大口一括輸送「バルクブレイク」だ。荷物を小口ごとに長距離輸送する従来の手法とは異なり、一定のまとまった単位で消費地に近い統合型拠点まで一括輸送し、拠点内で宅急便などのラストマイル配送へ切り替える仕組み。輸送効率を高めることで、輸送台数の削減、物流トータルコストの抑制、そしてGHG(温室効果ガス)の削減を実現している。

機器の回収から修理・点検・整備、再出荷までを一元代行するワンストップ型ソリューション「リペア・リファービッシュ」も提供。完了品は外部施設を経由せず、そのままエンドユーザーへ即時発送できるため、リードタイムと荷主企業の管理工数を大幅に削減する。

高度な温湿度管理により医薬品や精密機器の厳格な保管に対応するほか、2026年度中には保税蔵置場の許可を取得、保税エリアを開設する計画も進められている。これにより、海外メーカーが輸入商品を国内通関前にサンプル展示するショールームとしての活用や国内発送までの一元管理が可能となる。

■ 住宅密接地域における環境配慮と施設構造
大和ハウス工業が手掛けた「DPL東京東雲」は、同社の都内最大規模の開発物件であり、周辺環境への配慮が随所に施されている。

物流施設として珍しい「完全密封型」の車路やランプウェイを採用。全周を壁で覆うことで、大型トラックの走行音やヘッドライトの強い光源が周辺の住宅街やタワーマンションへ漏れるのを完全に防いでいる。外観も圧迫感を和らげるグラデーション外壁パネルやガラス張りのカーテンウォールを採用し、都市景観との調和を図った。


▲ランプウェイと車路には遮蔽壁を設置。一見すると物流施設とは思えない工夫がされていた

▲ランプウェイの内側

大和ハウス工業 東京本店の村上泰規建築事業部長は、「マルチテナント型の物流施設となるが、ヤマト運輸さんの一括利用が決まったことで、最適な構造・レイアウトへとカスタマイズを重ねた」と語る。

老朽化していた隣接の「東雲一丁目町会集会所」や公衆トイレ、緑道公園を一体的に再開発し、地域交流拠点「SHINONO-BA」として整備・寄贈した。国産材を活用した取り組みは、2026年度グッドデザイン賞(ランドスケープ建築部門)を受賞した。
▲地域住民の憩いの場となる「SHINONO-BA」

施設内には、有明方面や富士山を一望できる開放的なラウンジ(無人コンビニ併設予定)や最大14名対応の保育施設(1階)を完備。親子の通勤を可能にすることで従業員が働きやすい環境を整備し、物流業界の課題である人手不足解消にもアプローチしている。

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弘内氏は、「全国の宅急便ネットワークとヤマトグループが保有するロジスティクス機能などの経営資源を組み合わせ、お客さまや地域の課題を共に解決する戦略的パートナーとして新たな価値を提供し、豊かな社会の実現に貢献していきたい」と展望を語った。