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自動運転が変える「物流の未来」をディスカッション 

2026年09月14日

国際物流総合展2026の「ロジスティクスフォーラム 2026」において、「自動運転の進化による物流の未来」と題したパネルディスカッションが開催された。モデレーターのフレームワークス・秋葉淳一会長のもと、T2の一ノ瀬直氏、ロボトラックの羽賀雄介氏、チューリングの山本一成氏、Hacobuの佐々木太郎氏が登壇し、自動運転の社会実装に向けた課題と展望を語り合った。

T2は2027年以降の実装を目指し、2030年をメドに長距離幹線輸送での自動運転トラックが普及期に入ると予測する。無人運転トラックの社会実装を進めるロボトラックは、2029年頃から運行への組み込み検証を開始し、有人・無人のハイブリッド運用を経て2030年以降の本格普及を見込む。一方、乗用車の完全自動運転開発を進め「テスラを超える企業」を掲げるチューリングや、物流DXプラットフォームを提供するHacobuは、現場のデジタル化という自動運転の前提条件を提示する立場から議論に加わった。

最初の議題は、「経済合理性や一般道走行、法規制などのボトルネック」。Hacobuの佐々木氏は、過去の倉庫ロボットブームと同様に「人の方が安い」というコストの壁が生じる懸念を指摘した。T2の一ノ瀬氏も、24時間稼働による東京・大阪間の1日1往復は最大のメリットであるとしながらも、車両や遠隔監視のコスト、昼間の荷物マッチングの解決が不可避であると述べた。

ロボトラックの羽賀氏は、一般道走行を直接禁じる法律はないため、データで「人間と同等以上の安全性」を証明し、許認可を得られるかが本質であると説明。さらに人件費の高騰により、従来の人の方が安いという前提自体が崩れていくとの見方を示した。チューリングの山本氏も損益分岐点はセンサーや維持費などに依存すると分析し、技術レベルの確立と、完成車メーカーやTier1と連携した大規模量産・オンラインアップデート体制の構築が必須であると強調した。

続いて秋葉氏は、「生成AIやフィジカルAI、自動運転が当たり前になる未来、従来の3PLや運送会社の価値はどう変化するのか」と問いかけた。佐々木氏はヒューマノイド(人代替ロボット)を例に挙げ、普及すれば現行の施設・インターフェースを維持できるが、普及しなければ施設自体を機械向けに再設計する必要が生じると指摘した。

山本氏は車両側の自動化改造は非常に困難なため、「人間用のインターフェースのままヒューマノイドが運転や荷降ろしを担う世界線もあり得るだろう。その上で、バースへの自動進入から自動バックまで完了して初めて本当の価値が生まれる」と語った。

一方、羽賀氏は人件費上昇により2030〜2040年には機械と人間の費用が逆転し、機械に適合したインターフェースへの移行は避けられないと予測する。同時に、資本の論理が働く領域と、地方など独自の論理が残る領域に二極化すると指摘した。一ノ瀬氏も長距離幹線は標準化により産業化が進む半面、支線や現場業務には個別対応が残り、分業化が進むと予測する。自動運転の資産保有と運用を担う主体が分かれる「上下分離」のような形態が進むのではないかと投げかけた。

最後に、企業が今後取るべきアクションが示された。佐々木氏は、アナログな現場を直ちにDX化してデータを蓄積しなければ、AI駆動型物流が本格化する2030年には致命的な差が開くと警鐘を鳴らす。一ノ瀬氏も、自動運転に適した長距離幹線輸送として切り出せる荷物や区間、時間をあらかじめ想定しておくべきだと提言した。

羽賀氏はソフトウェアの進化を見据えた早期の実証と現場運用への組み込みを推奨。山本氏は日進月歩で進む技術開発を加速させ、10年を待たずに実用化レベルへ到達させる意気込みを語った。これらを受け秋葉氏は、聴講者が2030年・2040年の物流の未来像を見据え、今すぐ行動を起こすことへの期待を込めてセッションを締めくくった。

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