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千葉県・ト協・倉協▼災害時物流で協定、物資の円滑供給図り 

2013年02月19日

 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
 千葉県、千葉県トラック協会(西郷隆好会長)、千葉県倉庫協会(岡本茂会長)の3者は1月22日、災害発生時の物流に関する協定を締結。県と民間物流事業者とが連携し、支援物資の管理・供給を円滑に行える体制の構築を図る。
 東日本大震災では輸送や保管に課題があり、全国からの支援物資が迅速に県内被災地へ届かなかった。その中でも民間物流事業者のノウハウや車両・施設、物流専門家の派遣が運営の改善に寄与した教訓を生かすため、平成23年度以降協定締結に向けた検討を開始。昨春から内容の擦り合わせを行っていた。
費用や事故責任なども規定
 災害時協定では、(1)県の要請に千葉ト協・千葉倉協が緊急・救援輸送、保管、専門家派遣などで可能な限り応えること(2)業務実施後の報告(3)経費は原則県が負担し、額は協議で決定すること――などが定められた。そのほか、県の要請を受けた業務中の事故の責任、賠償、補償なども規定。また、両協会が車両提供などの際、相互に融通し合いスムーズな対応を図るための規定が雑則に盛り込まれた。
協力事業者をさらに拡大へ
 災害時には、事前登録された両協会の会員事業者が県の要請に応える。
 現状、千葉ト協会員のうち車両は92社405両、物流専門家は18社35人、フォークリフト、パレットなど荷役機器は32社、一時保管の配送センターは23社が登録。千葉倉協会員のうち、倉庫は33社70万平方メートル、物流専門家は29社51人が登録されている。
 今後、「手薄なエリアを中心に協力会社を増やしていく」(西郷千葉ト協会長)、「事前登録された倉庫が災害時にどれだけ使えるか分からない。数をさらに増やす」(岡本千葉倉協会長)と、両協会とも事前登録数を拡大し、災害時の物流体制を強化する方針。
 会見で森田健作知事は「協定で防災力が大きく前進した。心強い」と述べた。協定の期限は来年3月末。毎年自動更新とし、内容は必要に応じて見直す。3者で協定を有効に機能させ、官民連携で災害に備える。(松井 悠)