輸送経済新聞社

　第2次安倍改造内閣で留任した太田昭宏国土交通大臣は3日の会見で、「トラック業界はドライバーが不足している。〝トラガール〟が活躍できる場を つくりたい」とし、女性活用を推進する考えを示した。大臣がトラック行政に触れることは珍しく、今後の政策進展に期待が持てそうだ。
　人手不足が深刻化する中、業界では女性の活躍が期待されている。だが全トラックドライバーに対する女性の割合はわずか2.4％（平成25年時点）。長時間労働などが敬遠され、中高年男性に依存する就業構造が問題となっている。

予算確保にも強い意欲

　このため国交省は女性ドライバーを「トラガール」と名付け、活躍ぶりを広く国民に伝える専用サイトを今月以降開設する。女性採用の進め方をまとめ たガイドラインの策定、1台の車両を複数のドライバーが乗り継ぐ「中継輸送」の実証実験などを行う費用として、来年度予算概算要求に1億5000万円を計 上した。
　「現場力を担う人材を将来にわたって確保育成することが大事。予算執行でしっかりこなしていきたい」と太田大臣。人材育成、女性が活躍できる環境づくりに向け、関係者と総合的な対策を講じる考えを強調した。
　このほか、今後注力する政策には東日本大震災からの復旧加速などを挙げた。経済成長に関しては、平成32年の東京オリンピック・パラリンピック後に景気低迷が起きないよう、持続的に仕事を生む環境づくりが必要とした。（小林　孝博）