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<イベント>JA-LPAセミナー「物流施設はサスティナブル社会のための社会活動拠点だ」 

 

<イベント>JA-LPAセミナー、最新物流情報と伸長する 倉庫リノベーションを公開(速報)の続報

日本物流不動産評価機構推進協議会(JA‐LPA)は10月19日、日本通運で第11回定期セミナー「大変革における物流施設の運用と事例」を開催しました。

JA‐LPAは物流施設を中立的立場からの適正評価を目的に、2005年に創立。定期セミナーでは過去最大となる、250名が集まりました。望月光政代表理事(兼委員長)は冒頭、「このセミナーもようやく11回めを迎えることができた。毎回タイムリーなテーマでお送りしているが、今回は変革期における物流施設という、特に皆様の業務に直結する内容となった」と述べた後、理事会で委員長就任が決定したした河田榮司氏(日本物流施設社長)を改めて紹介しました。

        左が河田新委員長、右が望月代表理事

登壇した河田氏は「今後はJA‐LPA委員長として、このセミナーで時代のニーズに即したテーマでお届けしていきたい」と抱負を述べました。

基調講演では国土交通省の川上泰司・官房参事官は、「悪天候の中、これだけ大勢の方にお集まりいただき、物流に関する関心が高まっていることが大変うれしい」と述べ、7月に閣議決定した新総合物流施策大綱の概要を紹介しました。

前大綱が策定後の4年間について、川上氏は「第4次産業革命や通販事業拡大など、社会状況が大きく変化した」と背景を述べ、高付加価値を生み出す物流変革への重要性を訴えました。

「物流不動産の市場規模は拡大する」(川上参事官)

物流不動産市場拡大の裏には、国内市場縮小やグログローバルでの価格競争など、荷主が経営効率の改善を進めたことで、「生産拠点の海外移転や流通経路見直しが伸展、整備された大型物流施設を借り受けるニーズが増加した。物流不動産の使い方は多様化され、市場規模は伸びるだろう」と川上氏は、今後の見通しを語りました。

日本政策投資銀行の須釜洋介・企業金融第3部課長は「DBJ Green Building 認証」を事例とともに紹介しました。同制度は2012年から運用開始された、環境・社会への配慮がされた不動産を評価する制度。事業者と投資家・金融機関の対話・協調を進め、不動産の環境・社会的側面について、不動産価値への反映を目指す。8月末時点で464物件が認証され、J‐REIT3431物件のうち、 33投資法人がGB認証を利用、認証済み物件数は176物件(2016年8月時点)。

須釜氏はGB認証事例として、横浜港流通センター(Y‐CC)、東京流通センター(TRC)・物流ビルB棟、プロロジスパーク市川Ⅰなどを紹介。「物流施設はサスティナブル社会の実現に向け、豊かな生活を継続させていくための社会活動拠点だ」と須釜氏は述べました。

「サスティナブル社会のための社会活動拠点が物流施設だ」(須釜氏)

J&Kロジスティクスの原瑞穂社長は「物流環境の変化による拠点選択の考え」と題し、サプライチェーン全体最適化前提の拠点選択事例を発表しました。輸送距離よりもコスト安を重視した拠点選択、地方港利用、高速道路にリンクした拠点選択、海外で開発が進む物流ルートの活用など、拠点選択の重要性を示しました。


原氏

イーソーコの大谷巌一会長は、物流不動産ビジネスが根付いてきた背景について、「ECの拡大等による流通多機能化で倉庫に求められるフローが変わり、庫内ではピッキングなどの流通加工作業が増大してきた」(大谷氏)ことで、倉庫・物流施設に対する荷主ニーズの変化している事象を指摘しました。

また、近年注目を集めている倉庫リノベーション事業をでは、老朽化した倉庫をスクラップ&ビルドで解体し、オフィスやマンションなど別用途に変えることにより、倉庫の強靭な構造から「環境保全としての効率性を実現する」と述べ、同社が実施したイノベーション事例やスケルトン建築を施した「マルチパーパス倉庫」を紹介しました。

大谷氏