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「私たちのホンネ!?女性経営者が語り合う令和の経営奮闘記」パネルディスカッションレポート(ジャパントラックショー2022) 

ジャパントラックショーにLiSの岩瀬パネルディスカッション登壇

「運ぶこと以外、プラスアルファの要素を加味して荷主に提案」

 

 ジャパントラックショー2022(主催・国際物流総合研究所)が5月12~14日の3日間、神奈川・横浜市のパシフィコ横浜で開催されました。隔年開かれる同展示会は前回コロナで休止となり、4年ぶりに催されることもあり史上初の53,355名が来場しました。同展では展示のほか、講演の2本柱で賑わいを見せる中、LiS代表の岩瀬純子が12日、物流会社の女性経営者が集ったパネルディスカッション「私たちのホンネ!?女性経営者が語り合う令和の経営奮闘記」に登壇しました。

モデレータは保険サービスシステムHDの高橋聡特命部長、パネリストはAZUMAの上田裕子社長、CHIGUSA JAPANの門馬千草社長、Miyamaコーポレーションの降籏美香社長、岐阜運送の堀部友里社長、誠輪物流の野坊戸薫社長、そしてLiS代表の岩瀬純子の6名の女性社長による90分間の講演となりました。

各パネラーの自己紹介と会社プレゼンに続き、「ご苦労されたことを教えてください」とした高橋氏の問いかけに対し、降籏氏は「2代目就任とともに、先代社長(父)についていた幹部社員が多数退職した。ところが、困った私を支援してくれた社員がいてくれて会社を盛り上げてくれた」、門馬氏は「私はドライバー出身。ドライバー職より管理職の業務の苦労が多かった。今では中間管理職の育成に課題がある」と述べました。岩瀬は「私が代表についたことで退職した社員もいた。若い人財をイーソーコグループに派遣してもらい、経営陣にはいろいろな面で相談をしたことで乗り切った」と語りました。

物流事業の課題や運賃の適正収受に関して、高橋氏は「米国ではドライバーの地位が高く、現在の日本で人が集まりやすい施策を打ち出すことが必要ではないか」と問題を提起しました。これに対し、降籏氏は「建設業の現場同様に、ドライバーも外国人を雇用できるよう、国に考えてもらいたい」、堀部氏は「出生率が下がった現在、免許制度も改善してもらいたい」と政府への要望の声が挙がりました。

また、門馬氏は「燃料高騰が課題となってきた。当社では地域によって、長距離便の運賃を上げてもらった。赤字を証明するために当社の決算書を持参して交渉をしたこともある」、野坊戸氏は「提案型の価格交渉に切り替えた。1台の車両で24時間運行できるよう、ボトムアップできる提案を進めている」、上田氏は「地元・熊本県では多数の値上げを達成できた」とした成功事例も聞かれた。最後に岩瀬は「燃料費、人件費の高騰を理由に交渉している段階だ。資材の持ち帰りなど、細かい部分から一歩ずつ開始している、運ぶだけではなくプラスアルファの要素を加味して、荷主に物流最適化を交渉している」との事例を用いた内容で現状を語りました。

多くの課題を抱える物流業界ですが、女性経営者が一堂に自分の意見を述べる公開の場は極めて珍しいものです。同展示会の来場者は男性が多い中、会場には女性も多数詰めかけ、パネリストたちの意見に耳を傾けていました。