ジョーンズラングラサール▼東京物流不動産市場、賃料4.5%マイナス 
2009年06月18日 【LNEWS(http://www.lnews.jp)】ジョーンズラングラサールが6月11日発表した「アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版2009年第1四半期」の東京ロジスティクスマーケット12か月見通しでは、物流量の減少などを受けて、今後もテナント需要は弱含みで推移し、賃料と売買価格は下落傾向になるが、売り手と買い手の希望価格の乖離幅は徐々に縮小に向かうと予想している。
今期のベイエリアの平均賃料は月額坪当たり6400円。前四半期比で4.5%マイナスとなり、3四半期連絡の下落だった。売買の希望取引価格の相違から、全体的に取引数が少なかったという。
主な取引事例としては、「東雲物流センター」(延床面積約3万4000㎡)の準共有持分47%を日本ロジスティクスファンド(JLF)が118億円、営業純収益(NOI)を投資額で割ることによって求める指標NOI利回り5.5%で取得した。
これによって同物件は残りの持分53%を保有する産業ファンド(IIF)との共有となった。三井物産リアルティ・マネジメントが組成した物流倉庫特化型のファンドは、IIFから「武蔵村山物流センター」(延床面積約4万9000㎡)を80億4000万円で取得した。日本ロジスティクスファンドは、「加須物流センター」(延床面積約2万5000㎡)を37億9000万円、NOI利回り5.6%で取得した。
テナント需要は物流量の急減を受けて減退しており、縮小を目的とした動きが目立った。一方で、業務効率向上を目指す日用品など扱う事業者による需要が持続している例として、プロロジスパーク市川Ⅰ(延床面積約12万5000㎡)が挙げられる。
食品小売のコストコ、読売新聞傘下の読売インフォメーションサービス、3PL事業者のトランコムが入居し、それぞれ2万8000㎡、1万5600㎡、8600㎡を賃貸し、合計賃貸面積5万2200㎡が吸収された。
供給に関しては、内陸部で「羽村物流センター」(延床面積約4万3000㎡、地上4階建て)が竣工。ラサール・インベストメント・マネジメントによるビルド・トゥ・スーツ(BTS)型の開発案件であり、テナントには建設業のトーヨーが入居した。