戸田建設▼ワイヤーロープを利用した立体自動倉庫制震工法を開発 
2015年05月19日戸田建設は5月8日、昨年開発した「ワイヤーロープを利用した立体自動倉庫制振工法」の性能実証実験を行ったと発表した。
同社は、揺れを低減する高い制震性能を有し、ローコストな「ワイヤーロープを利用した立体自動倉庫制震工法」を開発し、検証実験では、実機を模擬した試験体を製作し、東北地方太平洋沖地震(2011年)の観測地震動を用いた加振実験を行い、揺れの低減効果を検証した。
実機を模擬した試験体を製作し、ワイヤーロープを利用した性能検証実験で、頂部の変位や加速度を1/3~1/2程度低減できることを確認した。
立体自動倉庫に地震が作用した場合、ラックは間口方向に大きく揺れ、頂部には大きな変形が生じる。今回開発した制震工法は、ラックの基部と頂部の間を制震装置を介したワイヤーロープで結ぶことで、ラック頂部に生じる変形を制震装置に伝達し、効率的なエネルギー吸収を図る。
ラック頂部の変形を利用して制震装置がエネルギー吸収を行うため、積荷の多寡に因らず制震効果が期待できる。
高い制震効果を有するため制震装置の設置基数を抑えられ、市販の制震装置を利用することでローコスト化が可能。速度あるいは変形に依存して減衰力を発揮する制震装置であれば種類は問わず利用可能。
さらに、制震装置はラック頂部のわずかなスペースにワイヤーロープを介して設置するため、パレットを占有することなく、倉庫の稼働率に対する影響は僅か。省スペース性を生かし既存のラック倉庫にも適用可能という。
今後、立体自動倉庫の導入を検討されているような物件について、高い制震性能とローコスト化を実現したこの工法を積極的に提案していく考え。
この工法が適用された場合に最大限の効果が発揮できるように、振動解析やシミュレーションなどを行い、顧客のBCP強化やリスク管理に協力していくとしている。
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